
PLASTERING
左官事業
左官職の魅力
千年の時を超え、空間に息吹を吹き込む。
左官職は単なる壁を塗る仕事ではありません。
そこには千年以上にわたり受け継がれてきた知恵と技、そして素材と空間を調和させる感性が必要です。
自然の素材を巧みに扱いながら、手作業で仕上げていく左官の仕事は精密さ、滑らかさ、美しさ、温もりを持ち、人の暮らしや建物の表情を豊かにします。
建物が構築されていく様子を最初から最後まで見ることができ、大きな達成感を得ることができます。
技術の魅力

コンクリート直押えの魅力
コンクリート直押えは床を主に基礎・壁の天端・屋根・スロープなど様々な躯体を構築する職種のひとつであり、ミリ単位の精密なレベルと滑らかで美しい見た目が要求されます。
特に、工場や倉庫といった建物の床は目に見えるそのままが最終成果物となることが多く、床が命と言われるほど重要な仕事です。
平滑さ、均一性、光沢、細部の仕上ひとつひとつが左官職人の技術の証であり、ごまかしの効かない世界だからこそ、完成したときの達成感は格別です。
「無機質なコンクリートに人の手でしか出せない質感と美しさを宿す」
それが左官職のコンクリート直押えという技術の真の魅力です。

下地補修の魅力
左官仕上・塗装・吹付・防水・クロス、床シート等の表面仕上を美しく仕上げるための土台を整えるのが左官の下地補修です。
建物の改修工事など古くなった壁・柱・梁・天井・床等、劣化したコンクリートを修復する左官の下地補修もあり、建物の寿命を支える責任と誇りを持った重要な仕事です。
不陸・段差・ひび割れ・欠損・劣化した部分を職人の目と手で下地の状態を感じ取り、丁寧かつ正確な補修を行うことが人々の暮らしと安心を支えます。
「きれいな下地にしてくれてありがとう、さすが左官さん」
と言われる瞬間こそ左官職人として最大の喜びであり下地補修の大きな魅力です。

左官仕上げの魅力
左官仕上は建物の顔を作る職種のひとつであり、最終的に人の目に触れ、空間の印象や居心地を左右する、まさに見せ場です。
漆喰・聚楽・珪藻土・モルタルなど自然素材や温度や湿度に配慮されたさまざまな材料を使い、塗り重ねて仕上げていく左官の仕事は、仕上がりの美しさはもちろん、耐久性や機能性も高く、空間の質を大きく左右します。
和風・モダン・ナチュラルなど様々な空間で採用が増えており、住宅、店舗、ホテル、オフィスまで幅広い分野で活躍できます。
美しい空間を見てお客様が感動してくれる瞬間は何度経験しても嬉しく、左官職人として最高の喜びを感じられる、それが左官仕上の魅力です。
左官の基礎と歴史
古代から続く技術
左官は人類最古の建築技術のひとつであり、基本は土・砂・水などを用いて壁や床を塗り、固める技術です。古代メソポタミアやエジプト文明においてすでに行われており、約3000年前の壁の遺跡には、粘土や石灰を使った左官技術の原型といえるものが存在しています。日本においても、飛鳥時代から漆喰や土壁を用いた建築技術が発展しており、寺社仏閣や城郭などの構造物には、左官職人の高度な技術が今もなお残されています。
現代への進化
時代とともに材料や工法は進化し、現在では耐久性と意匠性を兼ね備えた左官技術が確立しました。明治以降、洋風建築の普及やモルタル等セメント用いた新しい左官工事が発達し、昭和から現代にかけて機械化と左官の進化が進んでいる一方、伝統技術も保存・継承されています。現在の左官工事は床のコンクリート押え、床、壁、梁、天井などの下地補修、床、壁、梁などのモルタル塗り、その後取り合いのモルタル仕上げや補修など多岐にわたります。
左官の語源
左官という言葉は、もともと朝廷で工事の監督や仕上げをする職人(官職)に由来し、左衛門府の官職としたものが語源とされています。
職人の価値
左官職は難しいからこそ価値がある
左官の仕事は身体労働であるだけでなく、繊細な感覚と長年の経験が必要な技能職であり、個人差があるものの、一人前の職人になるまで10年はかかるといわれています。
現場は常に気温・湿度・条件・すべてが日々異なり、同じ配合・同じやり方でも同じ仕上がりにはなりません。
その日の天候や材料の状態、下地の状態を瞬時に判断し、その場に最も適した調合・塗り方・工程を選択する必要があります。
一見すると単純そうに見える左官の仕事ですが、実際は非常に奥深く、やるほどに難しさや面白さを感じる仕事です。
それだからこそ、長く続けるほど技術が磨かれ、職人としての価値は増していきます。

仕事内容
左官工事
- 建物の表面を整えて、見た目と強さをつくる仕事 -
セメントや漆喰などの材料をコテで塗り仕上げ、塗り壁の美しさで建物の価値を高め、永く残る職人の技を未来に伝える仕事です。
骨組み段階:面の水平度を出す(直押え等)
コンクリートをコテや機械で平滑・水平に整える(直押え)。柱脚グラウト充填や欠損補修も含む。
仕上げ前の土台づくり:段差・欠損を整えて土台面を作る
穴・ヒビ・段差を埋め、塗装やタイル貼りのための土台面を整える(厚塗り/薄塗り・枠廻り詰め・セルフレベリング等)。
見える面の質感づくり:材料で色・質感を決める
漆喰・珪藻土・モルタル金鏝などの材料で色・質感を決めて完成(洗い出し・研ぎ出し等)。
施工の流れ
現場確認
割れ、段差、濡れ具合をチェックし、施工箇所の状態を正確に把握します。
養生・段取り
床や建具を保護して、汚れや傷を防ぎ、スムーズな作業環境を整えます。
躯体工事
コンクリート面の高さや、凸凹を整え、建物の基礎となる精度を確保します。
下地調整
穴埋め、角の欠け補修、床のレベル出しを行い、仕上げのための完璧な下地を作ります。
仕上施工
選んだ材料で質感を作り、乾燥させます。最終チェックを経て完成となります。
代表的な仕上がり

モルタル(金鏝押え)
場所:床や階段
特徴:硬くて丈夫、工場・店舗に多い

漆喰
場所:壁
特徴:清潔感があり、和洋どちらにも合う

珪藻土
場所:壁や天井
特徴:調湿性で快適。模様(櫛引・扇・刷毛引き)を付けられる

洗い出し
場所:床や外部アプローチ
特徴:小石の粒感が出る

聚楽(じゅらく)
場所:壁
特徴:土の落ち着いた質感。和風の部屋に

研ぎ出し(テラゾー調)
場所:床やベンチ
特徴:磨いてツヤのある面
道具紹介
左官職人が使用する多種多様なコテ。用途や仕上げに合わせて最適な道具を選び抜き、技術を振るいます。

角コテ
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土間コテ
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塗りコテ(中塗用・仕上げ用)
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木鏝
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ささばコテ
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ささばコテ 2
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プラコテ(プラ仕上)
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レンガコテ
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切付コテ
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平目地コテ
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平目地コテ 2
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水刷毛
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石目筋引きコテ(しび鏝)
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筋引きコテ
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面引きコテ
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